トレード手法として知っておきたい合成通貨の作り方

合成通貨の作り方です スワップポイントの稼ぎ方

 

どの通貨ペアでも疑似的な両建てを可能にする、ストレート通貨とクロス円を用いた合成通貨の作り方の説明です。

ひと昔前はこの疑似的な両建て(以下疑似両建て)で同じ業者内で為替の変動リスクをほとんど皆無にしてスワップ益だけを得ることができレバレッジを上げれば年利10%も可能でした。

今ではこの手法が広まってしまい、各業者スワップを改悪しています。

ただ自身の取引口座で取扱いのない通貨ペアを疑似的に作って取引することや両建てが出来ないFX業者での相場の変動のヘッジなどに使えたりと覚えておくと便利なトレード手法です。

合成通貨作成実践例

 

かなり前にはなりますが、まずは私が合成通貨とストレート通貨で為替変動をヘッジしてスワップのみ積み立てていた実例です。

取引内容詳細

【運用期間】  2014/11/3 ~ 2014/12/5【使用通貨ペア】 ・GBP/AUD  ・GBP/JPY ・AUD/JPY

【取引量】1万通貨

【使用した証拠金額と利回り】 約26万円 想定年利約5.7%

【使用口座】 LionFX

為替変動を抑えてスワップのみ得る運用の開始

 

まずはじめに2014/11/3に

・GBP/AUDのロング(ポンド買い豪ドル売り

・AUD/JPYのロング(豪ドル買い

・GBP/JPYのショート(ポンド売り)

それぞれポンドの買いと売り豪ドル買いの買いと売りを建て為替変動を相殺する3つのポジションを同時刻に建てました。

 

ストレート通貨と合成通貨のヘッジスワップ運用の経過

以下3つのポジション評価額の経過です。

・11/7

合成通貨の運用記録の経過1

・11/12

合成通貨の運用経過2

・11/22

合成通貨の運用経過3

・11/27

合成通貨の運用経過4

・12/05

合成通貨の運用経過5

 

ご覧のようにレート(評価レート)がいくら動こうがこの3つのポジション損益の合算はほとんど変化なくスワップポイントのみ増えています。

この時は約1か月間(32日間)運用して1163円(1日あたり約36円)のスワップ差額の収益となりました。

 

この方法は1つの業者の口座で行いますので、あのFX低リスク運用で有名なスワップポイントの良い業者と悪い業者2つを使いヘッジポジションを建てスワップを得るFXスワップアービトラージ手法と違い、レードが動いた時の資金の移動が必要ないのに加えて為替変動による損失がかなり抑えられる分、レバレッジを大きく上げることが出来るところが大きな魅力でした。

さらにかなり手間ではありますが3つのFX業者を使い合成通貨を運用する究極のやり方もあります。

当時のスワップデータ(2014/11/10現在)にはなりますが1例として

3つのFX業者を使った合成通貨の例【FXTF】  GBP/NZD(S) +150円/日

【DMMFX】 NZD/JPY(L) -70円/日

【ライブスターFX】 GBP/JPY(L)  +31円/日

これはあくまで1例ですが3社を使うことでさらに美味しい合成通貨の運用も可能でした。

 

さてここからは具体的なやり方になります。

 

為替の変動リスクを抑えるストレート通貨とクロス円での合成通貨の両建て

 

まずは基本的な考え方から。ここではEUR/USDを例に挙げたいと思います。

はじめにストレート通貨EUR/USDのロングをします。

次に今度はEUR/USDのショートをクロス円の合成通貨で作ります。

EUR/USDのショートはユーロ売りドル買いになりますのでEUR/JPYのショート(ユーロ売り)USD/JPY(ドル買い)をすることでEUR/USDのショートを作ります。

【ストレート通貨とクロス円での合成通貨の両建てユーロドルの場合】

(EUR/USD買い)=(EUR/JPY売り・USD/JPY買い)

こうなります。

 

円がらみでない通貨とクロス円の合成通貨を両建てにするポジション量

 

ここではGBP/NZDの疑似両建てをする場合を例に挙げたいと思います。

(GBP/NZD買い)=(GBP/JPY売り・NZD/JPY買い)

上記の説明とおりにこうすればいいわけですが、

(GBP/NZD1000通貨買い)=(GBP/JPY1000通貨売り・NZD/JPY1000通貨買い)

と同じ通貨量を単純に建てればいいわけではなくポジションは等価建てる必要があります。

H28.6.3現在GBP/NZDのレート約2.1110でGBP/JPYはNZD/JPYの約2.11倍のレートなので

GBP/JPY1000通貨に対しNZD/JPYは2111通貨建てる必要があります。

 

円がらみでない通貨の評価損益を円換算する

 

ご存じのとおり、クロス円は1万通貨あたりの評価額は±1pipで±100円です。

ですが

・GBP/NZDの場合は 1NZDでの評価損益

・GBP/AUDの場合は 1AUDでの評価損益

つまり○○○/○○○(赤字)後ろ側での通貨の評価損益となっています。

FXの円がらみでないの通貨の評価損益の計算の基本です。

つまりGBP/NZDの1万通貨当たりの評価額は±1pipで±約75円です。

(H28.6.3NZD/JPYのレート)

NZD/JPYのレートが約75になっていますので(1NZD=75)を(1JPY=100)にするためには

NZDクロス側(例の場合GBP/NZD)のポジションを約1.3倍保有する必要があります。

最終的にはGBP/NZDの疑似両建ての場合

(GBP/NZD1300通貨買い)=(GBP/JPY1000通貨買い・NZD/JPY2100通貨売り)

すると両建てに近い状態になります。

 

合成通貨の作り方のまとめ

 

円がらみ以外の通貨 クロス円合成通貨
○○○/○○○(100÷○○○円のレート×1000通貨)買 ○○○/JPY(1000通貨)売・○○○/JPY(○○○円のレート÷○○○円のレート×1000通貨)買
○○○/○○○(100÷○○○円のレート×1000通貨)売 ○○○/JPY(1000通貨)買・○○○/JPY(○○○円のレート÷○○○円のレート×1000通貨)売

ちなみ疑似両建てによるスワップ運用をするのであれば、この数式に当てはめた上でスワップの差額が大きく、必要証拠金が少ない組み合わせが利回りが良く理想と言えます。

※違う場合はご指摘ください。

 

疑似両建てのメリット・デメリット

メリット

・両建て不可のFX業者でも疑似的に両建てが可能

・スワップの高い通貨ペアで疑似両建てを行うと同じ業者内で為替変動を抑えつつスワップだけ狙える場合がある。よく言われるスワップアービトラージとは違い業者間の資金の移動が不要。(最近は業者のスワップ改悪により難しくなりました、探せばあるかも・・・)

・口座損益もほとんど変動することなく、スワップポイントで緩やかに増えていく。絶対ではありませんが、ポジション自体は評価損益でプラスの状態がほとんどなので、有事の際、いつでもポジションを閉じて全出金できる

(参考:疑似両建て可能な業者)

・LiONFX

・JFX

・FXブロードネット

・ライブスター

・DMMFX

・外為オンライン

・FXTF

・ひまわりFX

 

デメリット

完全な両建ては不可能

突発的な値動き、相場の急変動、バッドティック、早朝や経済指標発表時のスプレッド大幅拡大など不確定要素によるリスクがある

 

以上です。

説明が下手で言葉足らずで申し訳ありません。現在この方法は難しくなりましたが、今でも様々な業者のスワップを調べるとおいしい組み合わせがあるかもしれません。

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スワップポイントの稼ぎ方
この記事を書いた人
クロロ

FXの元専業トレーダーです。今は引退して米国ETFの長期運用にシフトしています。配当(分配金)で50歳までにサイドFIREが目標。
新NISAがはじまり2024年の成長投資枠はすべてVIGにぶっこみます。
Den(伝)と2人でサイトを運営しています。

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