FXのトレード手法とよべる程のもではありませんが、通貨の強弱分析を使ったトレード法を紹介します。
FXトレードにおける考え方
FXをするうえで、いたってシンプルな考え方に基づき取引を行います。
『 通貨の強弱を見極めて、1番強い通貨を買って、1番弱い通貨を売る 』
これだけです。
自分の得意な通貨ペア・相性の良い1つの通貨ペアをひたすら売買するのも一つの方法です。ただ1番動いている通貨は米ドルであったりユーロもしくはポンドやオーストラリアドルなど日によって全く違います。
1番レートが上昇している通貨を1番強い通貨、1番レートが下落している通貨を1番弱い通貨と表現し、通貨を『 強弱 』という表現で為替取引を行います。FXは両替(通貨と通貨の交換)ですので片方の通貨が上がれば、もう片方の通貨は下がります。すべての通貨が同時に上がる・下がることはありません。イメージとしてわかりやすく例えるなら天秤でしょうか。
どの通貨からどの通貨に資金や相場の流れが傾いているか?これを通貨の強弱インジケーターや相関チャートを使って判断し、1番適切な通貨ペアを見極めて取引することで大きな利益を狙っていきます。
通貨の強弱を見極める方法
通貨の強弱を調べるオススメの方法を3つ紹介します。
前日比%を確認する
※IG証券取引口座:赤〇部分プルダウンをワンクリックするだけで%順に並び替えができる
1番手っ取り早く見極める方法が前日比%を見る方法です。前日比%を確認することでその日1日(日ベース)の通貨の強弱を判断することができます。こちらのライブレート右側の前日比%に注目してください。
今日はどの通貨が1番強く、1番弱いでしょうか?
(すべてプラス%であれば円が最弱、マイナス%であれば円が最強となります。)
1番上昇している強い通貨と1番下落している弱い通貨、今日の注目通貨を簡単に判断することができます。
前日比%をこまめに監視していると、今どの通貨を買って、どの通貨を売るべきか取引したくなる通貨ペアが直観的に見えてきます。
例えば、ポンドとニュージランドドルがそれぞれ100pips上昇したとします。
GBP/JPY 160.00 → 161.00 +100pips (+0.625%)
NZD/JPY 80.00 → 81.00 +100pips (+1.25%)
ご覧のとおり同じ100pipsでも上昇率でみるとNZD/JPYの方が上昇しています。pipsでなく%(変動率・騰落率)でみることで客観的に通貨の強弱を判断します。この場合はGBPよりNZDの方が強いことになります。
レートを見るだけでは?・・・・とお思いになると察しますが、前日比を意識することはとても重要だと考えています。前日比をこまめに確認することでその日の通貨の強弱の流れをイメージできます。その日1日単位での強弱関係や相場の流れの力は大きく、個人的には日ベースでの強弱に逆らった通貨ペアは取引しないようにしています。
リアルタイムの前日比・変動率を確認する方法としては『 Investing.com 』のサイトで確認することが出来ます。私の場合はIG証券の取引口座で確認しています。【上の画像】
通貨の強弱を手軽に確認できるウェブサイト
ここでは通貨の強弱をウェブ上で確認できるサイトを紹介します。取引口座やチャート立ち上げるのが面倒なときにウェブ上で手軽に通貨の強弱が確認できるのでとても便利です。
Mataf.net(マタフ)
こちらは外国のウェブサイトですが、ドルインデックスの様な通貨単体の変動( currency-index )を5分・15分・1時間・4時間・日足・週足で確認できたり、様々な時間軸で通貨の変動率の比較を行うことができます。複数の通貨を選択することで主要通貨すべての強弱関係を同時に見ることができます。
(参照サイト)Mataf.net【Currency-index】 ※サイト表示に多少時間がかかります
Currency Strength Chart
こちらは日ベースでの通貨の強弱を確認することができるウェブサイトです。最大2日分の通貨の強弱チャートを確認することができます。(チャートは5分間隔で更新)サイトによるとMetaTraderのインディケーターであるKu-ChartのソースコードをPHPで記述しているとのことです。
(参照サイト)Currency Strength Chart
通貨の強弱インジケーターを表示する
※MT4:CCFpチャート
次はMT4(メタトレーダー)で通貨の強弱を示すインジケーターを使う方法です。通貨の強弱のインジケーターとして有名なCCFpチャートなどがあります。通貨の強弱のインジケーターを集めておりインストールもできる良いサイトもあります。ぜひチェックしておくべきサイトです。
(参照サイト)MT4インジケーター集めてみた
通貨の強弱チャート(比較・相関チャート)を使用する
※MonexFXJoo 相関チャート 1分足 250本表示 赤〇部分
MT4のインジケーターの使い勝手がイマイチ自分には合わず、私が通貨の強弱の判断に使っているのがマネックスFXの取引ツールMonexFXJooの相関チャートです。この相関チャートは通貨の強弱を判断するのにとても便利です。通貨ペアも主要通貨を全て表示でき時間軸も1分や1時間や日足なども表示できます。
私の場合はデイトレなので短期の1分足表示でUSD/EUR/GBP/AUD/NZD/CAD/CHFの計7つ主要通貨を比較し4時足1本分(1分足×250本)240分相当に設定しています。上の画像の白矢印の幅を見ています。通貨に動きが出てくると矢印の部分が急激に広がってきます。後は日足の変動%を確認しつつ、このチャートをみて1番上昇している強い通貨を買って、1番下落している弱い通貨を売っています。
(H28.11.10追記)現在は新しい取引ツールMonexFX SPEED Liteにバージョンアップされ上記の相関チャートは使用できなくなっています。
【現在のMonexFX SPEED チャート】
ベストな通貨ペアを選択する
『 取引する通貨ペアの選択 』はFX取引において最も重要な部分です。株取引でいうなら銘柄や取引セクターを選ぶことと同じで、取引する通貨ペアの良し悪しでその日の取引結果が180度違うことになりかねません。
共に上昇している通貨・下落している通貨の通貨ペアで取引すると動きが相殺され、値幅が取りにくくなります。
簡単に図で説明いたしますと
この1例で上げると
ドル円の買い < ユーロ円の売り << ユーロドルの売り
の順に値幅が大きく
と言えます。
これはわかりやすく3つの通貨を例にしましたが、主にクロス円しか取引できないFX業者の場合、選べる通貨ペアの選択肢が少ないと大きな利益を上げるチャンスを逃し機会損失になってしまいます。
その日その日で注目されている旬の1番効率の良い通貨ペアを適切に選んで、1番効率よく資金を増やしたいですね。
再度上の図を見てみましょう。
この場合であればGBP/NZDの売りが1番値幅大きいことになります。
よくトレーダーが地合いという言葉を使いますが
といっても良いのではないでしょうか。
通貨の強弱を見極めることは世界情勢の流れ(傾き)を読むのとイメージとして同じです。
通貨の強弱は今後も変わることのないFXの考え方
通貨の強弱という考え方は為替取引の基本的な考え方として今後も変わりません。
分足・時間足・日足で取引するデイトレから週足・月足など長期で取引する場合、時間軸で通貨の強弱関係は違いますが考え方はすべて同じです。
デイトレで特にオススメしたい通貨ペアの強弱を比較するトレード手法
最後に相場に常に張り付いて監視できるデイトレーダーの方には通貨ペアの強弱を比較する方法が特にオススメです。より細かく通貨の強弱を判断できます。ちょうどこの記事を書いているとき(H29.6.19午前)の相場を例に挙げたいと思います。画像編集に時間がかかりチャートの時刻に若干ずれがありますがご了承ください。各通貨ペアのチャートから強弱関係を比較し、最強最弱通貨を判断します。
- クロス円通貨ペア一覧
- ドルストレート通貨ペア一覧
- ユーロクロス通貨ペア一覧
- ポンドクロス通貨ペア一覧
- オーストラリアドルクロス通貨ペア一覧
- ニュージランドクロス通貨ペア一覧
- カナダドルクロス通貨ペア一覧
- スイスフランクロス通貨ペア一覧
表示しているテクニカル分析はGMMAです。
- すべての通貨に対して上昇している通貨が今1番強い通貨
- すべての通貨に対して下落している通貨が今1番弱い通貨
になります。そのため
- GMMAがすべての通貨できれいに拡散(上昇)している通貨が最強通貨
- GMMAがすべての通貨できれいに拡散(下落)している通貨が最弱通貨
を探してその組み合わせを取引することで一番大きな値動きを捕えることができます。
この時の例ではニュージランドドルがすべての通貨に対して上昇し買われ、反対に日本円がすべての通貨に対し下落し売られている場面ですのでニューランドドル円(NZD/JPY)が最強最弱の組み合わせになります。ただ
- アメリカとカナダドル(USD/CAD)
- ユーロとポンド(EUR/GBP)
- オーストラリアドルとニュージーランドドル(AUD/NZD)
の組み合わせは相関性が高いので相場が傾いていてもレンジの振幅になっていることも多いです。
トレンド発生の確認
通貨の強弱を見極めてもトレンドが発生しているのか判断するのが難しいですが、そこで先ほど紹介した『 Currency Strength Chart 』を使用します。
ボリンジャーバンドを使用する
Currency Strength Chartに加えてさらにボリンジャーバンドを使用します。ボリンジャーバンドの設定は『 188 』が気に入って使用しています。
最近は相場の動き(傾き)が早いこともあり、1つの通貨だけが大きく動きそして戻ってくる(いわゆるイッテコイ)の展開も多く往復で狙えることもあります。相場を常に監視出来る方は通貨の動きがとても良く分かりますので通貨ペアの強弱の比較をしてみてください。
なお通貨の強弱で1番大きな値幅を狙った取引をする場合は、主要通貨のすべての組み合わせの通貨ペアを取引できる口座が必要になります。
すべての通貨の組み合わせを取引でき、かつ色々な通貨の強弱のインジケーターを使用できるがOANDA Japan最適です。
通貨の強弱分析ができるようになると相場の展開がイメージできるようになり、FXの感覚がガラリとかわりますので1度挑戦してみてください。
関連記事です。通貨の強弱分析と同様にFXにおいて重要なポジション構築の方法です。通貨の強弱に沿ってポジションを構築するだけで誰でも簡単にトレンドに乗ることができます。トレード法もすべて公開しています。
為替の変動を両建てでヘッジしつつスワップポイント(金利)のみ狙う方法です。